同条は、民法第958条の2第1項の規定により与えられた特別縁故者への財産分与及び民法第1050条第1項の規定により確定した特別寄与者への特別寄与料が相続財産から与えられた場合は、被相続人から遺贈により取得したものとみなす規定である。
特別縁故者及び特別寄与者の費用負担について
このケースで問題になりがちな、特別縁故者及び特別寄与者の費用負担の控除可能性について以下に検討する。
特別縁故者及び特別寄与者が負担した被相続人に関する生前の費用の控除について
特別縁故者又は特別寄与者が現実に負担した被相続人の葬式費用、療養看護に関する入院等費用は、債務控除可能であるか。
この点につき相続税法基本通達4-3において、相続開始時にまだ支払われていないことを条件に、実務上当該費用の控除を認めている。
したがって、これらの費用を控除した価格をもって、当該分与価格あるいは特別寄与料として申告することになる。
特別縁故者あるいは特別寄与者が、相続財産の分与の申立に関する手数料や費用について負担した場合の控除について
特別縁故者あるいは特別寄与者が、相続財産の分与の申し立てを家庭裁判所にした際に要した手数料、郵送料あるいは弁護士費用等の諸費用を分与財産の価格から差し引くことはできるか。
この点について大阪高裁昭和59年7月6日判決によると、諸費用を控除することはできないとした。
理由としては、当該債務控除の規定は、相続人と包括受遺者にのみ適用されるものであり特別縁故者は控除債務に該当しないこと、必要経費控除の観念は資産税制下においてなじまないこと、これらをもって費用の控除可能性を否定した。
したがって、家庭裁判所への申し立てに要した費用を控除することはできないと解される。
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